君看双眼色、不語似無憂
「君看双眼色、不語似無憂(きみみよそうがんのいろ、かたらざればうれいなきににたり)」
良寛上人が書にしたためるほど愛した句としても知られている。
「その目を見てごらんなさい。何も言わなければ憂いなど無いようにみえるだろう」
語らないのではない。語れないほどの深い悲しみがあるからこそ、その瞳は澄みわたり光り輝いているのだ。それは、悲しみの涙を流したあとの輝きである。
人はみな、大なり小なり悲しみを抱えて生きている。その悲しみが大きければ大きいほど人には語れず、じっとひとり堪え忍ぶことになる。そういう人は強くて優しい。人の痛みがわかるから
身に沁みる、素晴らしい言葉です。